『外壁塗装』と『外壁張り替え』どっちがいいの?
外壁のリフォームで、『外壁塗装』が良いか『外壁張り替え』が良いか、迷っておられる方は少なくありません。
そこで今回は外壁塗装と外壁張り替え、どちらを選ぶのが正解なのか、それぞれのメリットやデメリットを挙げた上で検証していきます。
外壁塗装と外壁張り替え、どっちがいいの?
外壁塗装
外壁塗装は文字通り、外壁の塗装をします。
ただし、そのまま外壁に塗っていくのではありません。
ヒビや欠けの補修、苔やカビの除去、外壁のクリーニングと言った下処理を行ってから塗装していきます。
また塗装と言っても1回塗って終わりではなく、下塗り、中塗り、上塗りなどというように、何回も塗り直しを行い、場合によってはそれぞれの塗料を異なったものにすることもあります。
外壁張り替え
外壁の張替えは大掛かりなリフォームになります。
まずは古い外壁を除去します。
そして、外壁の内側にある建材のコンディションをチェックし、建材の補修や断熱材の交換を行った上で新しい外壁を作っていきます。
多くの場合、外壁以外にも断熱材の劣化も進行しているため、古いものを除去し新しい断熱材(グラスウールなど)を新たに充填していくことが多いです。
そして防水透湿シートや防水機密テープといった建材類も新しいものに交換した上で、新しい外壁を取りつけていきます。
外壁を含め、関係する建材のほとんどを交換するため、外壁にまつわるトラブル原因の全てを取り除き、解決するリフォームになります。
それぞれのメリットを知ろう!
補修をしつつ新しい塗料を塗装していく外壁塗装と、外壁に関係する建材まで交換を行う外壁張替えですが、それぞれには様々なメリットがあります。
これらのメリットを知ることは、外壁リフォームを行う上での重要な判断材料になります。
外壁塗装のメリット
外壁塗装のメリットは3つあります。
それは機能回復、強度回復、外観の改善です。
機能回復
機能回復は、外壁の防水性や破損部分の回復が期待できます。
外壁塗装に用いられる塗料は、販売されているほぼすべての塗料が防水性です。
そのため、劣化で失われた防水機能が回復します。
また、外壁塗装にともなって行う補修によっても防水機能は回復します。
さらに、塗料によっては遮熱性を高めるものや、光触媒のように太陽光で空気をきれいにする機能のついた外壁塗料まであります。
これらを用いることで、今までの外壁に新たな機能をプラスすることも可能です。
強度回復
強度回復も外壁塗装のメリットです。
塗料自体の粘性によって外壁の強度が回復するだけでなく、補修工事を行うことでひびなどで低下した強度を回復することも可能です。
下地処理によっても、そのメリットが期待できるというわけです。
外観の改善
当たり前ですが、外観の改善もメリットです。
同じ外壁材の風合いを残しながら色あせた外壁の美観を回復できるのは、外壁塗装ならではのメリットと言えます。
以上が外壁塗装の3つのメリットです。
外壁張り替えのメリット
外壁張り替えのメリットも3つあります。
根本解決、耐震性能の向上、耐用年数が延びるです。
根本解決
外壁張替えは建材を含めた大規模なリフォームになります。
そのため、自宅の外壁が抱えている諸問題、例えば色あせ、ひび、剥落などの破損、遮熱や防音機能の低下などといった、すべての問題を根本から解決してくれるのです。
施工内容によっては、新築同様の高い機能性をもった外壁へ回復することを期待できます。
耐震性能の向上
耐震性能の向上もメリットです。
建材の骨組みまで露出させて行うリフォームですから、建材に直接耐震性能の高い建材を追加したり、外壁自体に耐震性能の高いものを選んで張り替えるという方法もあります。
また、重ね張りのような重量増もないため、そういった面からも耐震性の向上が期待できます。
張り替えならではのメリットです。
耐用年数が延びる
外壁の張り替えは、塗装に比べて耐用年数も長くなります。
外壁張替えは外壁の交換ですから、外壁塗装の”延命”いうよりも”生まれ変わらせる”というイメージに近く、外壁自体の耐用年数をリセットさせ、新しい住宅として蘇らせることも期待できるのです。
どちらが良いかは外壁のコンディション次第
『外壁塗装』と『外壁張替え』はどちらもメリットがあるのですが、どちらが良いかとなると外壁のコンディション次第になります。
では具体的に、どんな場合に外壁塗装が良く、逆にどんな場合に張り替えが良いのでしょうか?
築年数が浅いのであれば外壁塗装がおすすめ
外壁塗装がお勧めなのは、築年数が浅い場合や、破損の程度が比較的軽い場合です。
築年数の目安ですが、10~30年程度であれば外壁塗装で対応できる場合が多いです。
その程度の年月であれば、外壁は多くの場合において機能が最低限保たれています。
よほど環境が悪いところか、災害のような強力なストレスにさらされるようなことがない限り、築年数30年くらいまでは外壁塗装で対応できます。
また破損の程度が浅い場合も外壁塗装の方が良い場合が多いです。
サイディングの反りやチョーキング(外壁に塗料の粉が吹いた状態)、クラック(ひび)、軽度のサビと言ったレベルであれば、下地処理を行う前の簡易的な補修で改善されることがほとんどです。
この程度であれば外壁塗装でも十分対応できますし、コストが安い分外壁塗装の方が良いと言えます。
外壁のコンディションが悪い場合は張り替えがお勧め
外壁のコンディションが悪い場合は張り替えが良いです。
外壁の崩れや腐食、目地や継ぎ目の隙間、モルタルであれば崩れ、金属壁のサイディングであればサビに穴と言った状態なら張り替えが良いでしょう。
外壁の崩れは補修を行っても対応しきれず、崩れがどんどん進行していく可能性があります。
腐食がひどい場合も下地処理では対応できないので外壁張替えがいいです。
目地や継ぎ目の隙間、サイディングの穴も同様です。
この場合は外壁塗装だとむしろ、隙間や穴に塗料が入り込んでしまい外壁を内側から傷めつけてしまうことにもなりかねなく、逆に状況を悪化させてしまう場合すらあります。
したがって、張り替えで外壁を丸ごと交換してしまった方が得策といえるでしょう。
正確な判断はプロにお任せするのがベスト
外壁のコンディションによって外壁塗装と外壁張り替え、どちらが良いのかが変わってきます。
ただし、それらはあくまで目安なので、実際はプロの外壁業者さんに判断してもらうのがベストです。
悪質な業者でなければ、しっかりとありのままを説明してくれますし、ベストな選択肢を提示してくれるでしょう。
自己判断で決めるのではなく、外壁リフォーム業者へ何社か相談し、最適なプランを提示してくれる、信頼できる業者に見積もりを依頼するのがおすすめです。
「近場で信頼できる業者がまだ見つかっていない」
「複数の業者に相談するのが大変」
という方は、外壁リフォーム一括見積もりサービスを活用すると良いでしょう。
見積もりや相談は無料でできるところが大半なので、活用しておいて損はないです。
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