住宅の壁を撤去するリフォームのメリット・デメリットとは?壁の撤去費用相場もご紹介!
快適な住まいのカタチは、そこで暮らす家族のカタチによって変化します。
子供が独立した後に、2部屋並んだ子供部屋の間仕切り壁を撤去したり、中古住宅を購入しリノベーションする際などに壁の撤去を選択する人も多いです。
そこでこちらでは、壁を撤去するリフォームを考えている人に向けて、住宅の壁を撤去するメリットとデメリット、撤去費用の相場や撤去する場合の注意点などをご紹介していきます。
住宅の壁を撤去する事例とそのメリット・デメリットとは?
まずは、住宅の壁を撤去する事例やその時のメリット・デメリットを見ていきましょう。
リビングと和室の仕切り壁を撤去するメリット・デメリット
壁を撤去するリフォームの中でも比較的多いものに、リビングと和室の壁を撤去してリビングを広く見せるという方法があります。
和室の壁を撤去することでリビングが広く見えるので、リビングのスペースが手狭に感じていた場合にはオススメのリフォームになります。
リビングと和室の壁を撤去するリフォームのメリットは、リビングが広がることの他にも、風通しが良くなったり小さい子供の動きを監視しやすくなるということが挙げられます。
ただ、デメリットもいくつかあります。例えば、和室の畳をフローリングにする場合の費用です。
一般的に6畳の和室をフローリングに変更する費用は20~30万円が相場となっているので、壁の撤去費や修繕費と合わせると、どうしても費用負担が大きくなってしまいます。
また、リビングの壁を撤去するとエアコンや暖房機器などの空調が効きづらくなってしまうこともデメリットになります。
2つの洋室を1つの洋室にするメリット・デメリット
隣同士になっている2つの洋室の壁を撤去してしまうリフォームは、広い空間を作りたい場合に行われるリフォームになります。
洋室同士のため床はいじらずとも、壁を撤去するだけで簡単に1つの部屋にすることができるため、リビングと和室を繋げるリフォームよりもコストが抑えられるというメリットがあります。
デメリットとしては、広くなった洋室に合わせてエアコンや照明を変えたい場合に、その費用が発生することや、壁の廃材撤去費用がかかるといったことが挙げられます。
壁を撤去するリフォームの費用とは?
続いて実際に、壁を撤去するリフォーム費用を見ていきましょう。
壁を撤去して2部屋を1部屋にする費用は30~50万円
壁を撤去して2つの部屋1つの部屋にするリフォームの場合、30~50万円くらいが目安相場になります。
その時の費用の内訳は以下のようになっています。
・壁の撤去・処分…5~10万円
・床・天井の補修…5万円
・天井・壁のクロスの張替…5~10万円
・電気系統の工事…3万円
・床の高さ調整(必要な場合)…10~20万円
・天井の高さ調整(必要な場合)5~10万円
壁の撤去費用だけであれば5~10万円で収まりますが、天井や床の補修やクロスを張り替える場合には10~15万円程の費用が掛かってしまいます。
また、床や天井の高さが異なっている部屋同士を1つにする場合には、高さを調整する工事が必要となるので、その場合には最大で30万円くらいの費用が上乗せされます。
修繕作業がない壁の撤去は5~10万円
もし、壁を撤去した後に自分で天井や床を修繕するのであれば、壁の撤去費用だけに抑えることができます。
壁の撤去のみの場合、5~10万円が相場となります。
ただし、電気系統の配線などがない場合に限ります。
リビングと和室の壁を撤去する費用は30~70万円
リビングと和室の壁を撤去するリフォームの相場はフローリングの張り替える程度によって変わってきます。
その場合の費用の算出は、壁の撤去費+床・天井の補修費+フローリングの張替費ということになります。
そのため、和室部分だけをフローリングにするのか、和室と合わせて元のリビングも新しいフローリングに張り替えるのかで費用が大きく変わってきます。
壁の撤去、修繕、フローリングの全面張替(16畳ほど)のすべてを行う場合の費用は50~70万円が相場となります。
ただし、和室部分だけをフローリングに張り替えるだけであれば、30~50万円ほどに抑えられます。
壁を撤去する際の注意点やポイントとは?
最後に住宅の壁を撤去する際の注意点やポイントを見ていきましょう。
「耐力壁」「筋交い」は撤去することができない!
一般の木造住宅には「耐力壁(たいりょくへき・かべ)」や「筋交い(すじかい)」というものがあります。
耐力壁や筋交いとは家の耐震や強度に大きく関わっている壁のことで、それらの壁を撤去してしまうと地震発生時などに簡単に倒壊してしまう恐れがあります。
木造住宅の柱や梁は垂直方向に対しては支える力が強いですが水平方向の力にはどちらかというと弱く、風や地震には耐力壁や筋交いという水平方向に強い壁が必要になります。
「ツーバイフォー」の住宅では撤去することができない!
住宅の壁の中には撤去することができないものがあり、「ツーバイフォー工法」で造られた住宅の壁は撤去することができません。
ツーバイフォー工法とは「木造枠組壁工法」の中の一つで、使われている角材が2インチ×4インチのサイズであることからその名前が付けられています。
ツーバイフォー工法の住宅の壁が撤去できないのは、壁そのもので家全体の耐震や強度を確保しているからです。
ツーバイフォー工法住宅の全ての壁が撤去不可能ということではありませんが、ほとんどの壁は撤去することができません。
マンションの壁の撤去の可否は「ラーメン構造」と「壁式構造」で分かれる!
マンションの壁を撤去する場合には、「ラーメン構造」と「壁式構造」の2つの構造の違いによって壁の撤去の可否が分かれてきます。
ラーメン構造のマンションであれば撤去可能で、ラーメン構造のマンションは柱と梁によって建物全体の強度や耐震を確保しているものになります。
一方、壁式構造のマンションの場合には壁が建物全体の強度や耐震の確保をしているので、基本的は壁を撤去することができません。
そのため、将来的にマンションの壁を撤去する可能性がある場合には、ラーメン構造のマンションを選ぶ必要があります。
おわりに
住宅の壁を撤去するリフォームについてご紹介してきましたが、壁の撤去作業は最短で1日ほどで行うことができるため、リフォームの中では比較的簡単な部類に入ります。
ただし、住宅の強度や耐震に関わっている壁かどうか素人には見極めが難しいため、まずは業者に依頼して診断してもらうことがお勧めです。
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