リフォームとリノベーションの違いとは?平屋のリフォームとリノベーションで費用を比較!

長年住み続けてきた住宅に対して改修工事することを一般的に「リフォーム」と言いますが、今では「リノベーション」という方法もあり、リフォームとは少し違った目的や意図などがある場合には行われています。

そもそもリフォームとリノベーションとはどのようなもので、どのような違いがあるのでしょうか?

 

また、リフォームとリノベーションとでは施工費用や施工方法などに違いがあるのでしょうか?

今回は、リフォームとリノベーションの違いや平屋を例としたリフォームとリノベーションの費用を比較していきます。

 

リフォームとリノベーションの違いとは?

まずはリフォームとリノベーションのそれぞれが、一体どのようなものなのかを確認していきましょう。

 

住宅の「リフォーム」とは?

「リフォーム」の語源となっている英語の“reform”の意味 は「改心する・改正する」といったものになります。

リフォームという言葉自体は和製英語になり、英語圏でのリフォームを同じ意味に当たる言葉は「リモデル」というものになります。

 

一般的にリフォームするという場合には、老朽化してしまった住宅の原状回復のための修繕、営繕、改修といった工事を指しています。

住宅のリフォームはトイレやキッチンだけの部分的なリフォームと、家全体を改修する全面リフォームの2つが主にあります。

 

住宅の「リノベーション」とは?

一般的にリノベーションの場合には、建物全体の改修を指す場合が多く、リフォームよりも大規模な住宅工事を指しています。

また、リノベーションの場合には既存の建物の価値や機能を高める目的や意図の方が強く、マイナスから原状回復するリフォームとはスタートラインやゴールが違っています。

 

その他にも、リノベーションは老朽化しているマイナスの状態からではなくゼロから既存の建物に対して付加価値を付け加えることを目的としている意味合いもあります。

そのため、リノベーションの方がリフォームよりも費用や工期などは増えやすくなっています。

 

日本でリノベーションが広まり始めたのは2000年に入る少し前の頃になり、東京や大阪などで古くなった住宅などを個性的に改築する人が現れ始め、今では「団地のリノベーション」をする人などが増えています。

 

平屋のリフォームとリノベーションの費用とは?

リフォームとリノベーションの違いには原状回復や機能と価値を付け加えるといった違いになりますが、費用においてはどのくらいの差があるのでしょうか?

1階建の平屋を例にとってみてリフォームとリノベーションの費用の違いを見ていきましょう。

 

平屋の「全面リフォーム」の費用は500~1,500万円

平屋全体をリフォームする費用は、25~35坪の平屋でスタンダードなグレードでリフォームするのであれば400~750万円でリフォームすることが可能です。

一方、ややハイグレードなリフォームの場合には同じく25~35坪の平屋の場合には1,000~1.500万円程の費用は掛かってしまいます。

リフォームの場合には原状回復をさせることが目的なので、マイナスをゼロの状態にする場合であればそれほど費用は掛かりません。

 

主な費用の内訳は以下のようになっています。

 

・屋根………50~300万円

・外壁………30~100万円

・壁紙………1平米1000~1200円

・床材(フローリング・畳)の張替………50~100万円

・キッチン………30~100万円

・トイレ………10~50万円

・洗面所………10~50万円

・お風呂………50~150万円

 

その他にもバリアフリーリフォームなどを行うとさらにコストは掛かってしまいますが、平屋であれば全てをスタンダードなグレードにしてリフォームを行えば500万円の予算があれば行うことができます。

 

一般的に全面リフォームの場合には部分的なリフォームを行うよりもそれぞれの個所の費用がかなり安くなります。

その訳としては、職人や施工業者への振り分けの手間などが掛からないのと、まとめて発注することでトイレの便座やシステムキッチンなどを安く仕入れられるからです。

 

また、フローリングの材料費などもトイレやキッチンなどまとめてできるので、安く抑えることができます。

 

平屋の「リノベーション」の費用は700~2,000万円

リノベーションの場合にはリフォームとは違い、ややグレードが高い材質や部材を使うことが多くなるため、リフォームよりもやや高く費用は700~2,000万円が相場となります。

あくまでも概算によるものなので、一概にリノベーションだからリフォームよりも高くなるということではありません。

 

ただ、一般的にリノベーションの場合には既存の建物に対しての機能や価値を高める目的意識が強くなるので、キッチンやトイレといった水回りはリフォームよりもグレードが上がりやすくなります

 

具体的な平屋のリノベーションに掛かる費用は以下のような感じになります。

 

・屋根………50~300万円

・外壁………50~150万円

・壁紙………1平米1000~1500円

・床材(フローリング・畳)の張替………70~150万円

・キッチン………50~100万円

・トイレ………30~100万円

・洗面所………30~70万円

・お風呂………70~200万円

・間取り変更………300~500万円

 

全体的にリノベーションの方がリフォームよりもやや高くなることが多く、例えばフローリングの部材などには無垢フローリングを使用するなどが挙げられます。

そして、外壁などもリノベーションの場合には塗装ではなくタイルの張替や重ね張りなどをすることが多く、その場合には35坪ほどで150万円前後の費用が掛かります。

 

外壁を塗装するリフォームならば15~50万円ほどになりますが、リノベーションの場合には塗装よりもモルタルやサイディングなどのタイルの張替が主流となっています。

また、リノベーションは間取りを変更することも珍しいことではないので、その場合には300~500万円程の費用が掛かってしまします。

 

リフォームとリノベーションのそれぞれのメリット・デメリットとは?

最後にリフォームとリノベーションのそれぞれのメリット・デメリットを確認しておきましょう。

 

リフォームのメリットとは?

リフォームのメリットは、リノベーションや住宅の建て替えよりも費用が安く、平屋の全面リフォームであれば500万円以内で施工することが可能なことです。

また、住宅の建て替えの場合には既存の建物を取り壊す必要がありますが、リフォームならば普段の生活に支障がない程度に修復や修繕をすることが可能です。

そのため、愛着のある家であれば取り壊して建て替えるよりもリフォームをすることでそのまま残すこともできます。

 

リフォームのデメリットとは?

リフォームのデメリットは、大きな間取りを変える内装工事ができないということが挙げられます

リノベーションを意識した内装工事であれば自分たちのライフスタイルに合わせた間取りに変更することができますが、リフォームを念頭にしている場合にはそこまでの大きな改善をすることができません。

 

リノベーションのメリットとは?

リノベーションの最大のメリットは、自由に間取などを変更することができることで、リノベーションを意識することでライフスタイルに合わせた家に仕上げることができます。

 

古民家などをリノベーションする人々が増えていますが、この場合もリフォームではなくリノベーションすることでより自分のライフスタイルに合わせた家造りをすることができて、既存の古民家の機能や価値を高めることができます。

 

また、リノベーションであれば新築を購入するよりもコストをかなり抑えることができるので、今では手頃な中古住宅や団地を購入してリノベーションをする人が増えてきています。

 

リノベーションのデメリットとは?

一方、リノベーションのデメリットにはリフォームよりもコストが高くなりやすいことがまず挙げられます。

上記で紹介している平屋のリフォームとリノベーションの費用を比較してみても、3~4割程度はリノベーションの方が高くなってしまっています。

また、リノベーションを行う場合には古民家や中古住宅を利用することが多く、耐震や強度などに不安を感じてしまいます。

 

リフォームとリノベーションの違いのまとめ

リフォームとリノベーションの費用の違いなどを紹介してきましたが、そもそも「リフォームとリノベーションはこういうものだ」といった明確な決まりや線引きというものは実はありません

あくまでも世間一般の共通認識や目的による使い分けの利便性ということいなります。

 

ただ、リフォームの場合には生活していくためには必要な住宅工事になることが多く、老朽化しやすい水回りなどは早めにリフォームすることで水漏れを未然に防ぐことができます。

一方、リノベーションはどちらかというと付加価値の要素が高く、今では徐々にリノベーションを行う人が増えてきているというのが現状です。

 

どちらにしても、自分の生活水準に見合った予算で行えるように見積もりを立てる方がいいでしょう。

 

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