モルタル外壁を塗装する費用はどのくらい?塗装することのメリットを解説!
1960~1980年にかけて日本の住宅の外壁はモルタルが主流でしたが、今ではサイディングが主流になりモルタル外壁は徐々に衰退しています。
ただ、モルタルの外壁が無くなった訳ではなく日本の住宅の3割ほどはモルタル外壁となっています。
特に築年数が30年以上経過している住宅はモルタルの外壁が多く、その場合には表面が劣化しているため外壁塗装をする必要がありその費用も様々です。
そこでこちらでは、モルタル外壁の特徴、モルタル外壁を塗装する費用、外壁塗装することでのメリットなどを紹介していきます。
モルタル外壁の特徴とは?
まずは、モルタル外壁がどのようなものなのか簡単に見ていきましょう。
そもそも「モルタル」とはどのようなものなのかというと、セメントに砂などの細骨材を加えたものをモルタルと言います。
住宅の外壁以外にもモルタルは様々ところで使われていて、レンガやブロックの目地や下地などにも使われています。
モルタル外壁にはいくつか種類があり、スプレーガンで吹き付ける「リシン仕上げ」、コテやローラーで仕上げる「スコット仕上げ」、骨材が入っていなモルタルで仕上げる「吹き付けタイル仕上げ」などがあります。
今では「サイディング」というパネルを貼り付ける外壁の方が安価で取り付けも簡単なのでモルタル外壁の割合は少なくなっていますが、モルタル外壁で住宅を建てる人もまだまだいるのが現状です。
費用はやや高めですがメリットも様々あります。
サイディングの場合にはパネルとパネルの隙間に目地ができるので、シーリング剤という合成樹脂によるコーキングが必要となり、7~8年に1回のメンテナンスが必要となってしまいます。
一方、モルタル外壁の場合には目地がないためメンテナンスが少なく、ランニングコストはモルタル外壁の方が低くなっています。
その他にもモルタル外壁の方が表面温度が厚くなりすぎることがないので、夏場の断熱性にも優れています。
モルタル外壁を塗装する費用とは?
続いてモルタル外壁を塗装する費用を紹介していきます。
一般的に外壁塗装をする費用は外壁の面積が広くなれば、その分負担は増えますが、主に「塗料の種類」によって費用は大きく違っていきます。
また、塗料を塗る前の「下地塗り」や作業のための「足場の設置」、塗料の飛散を防止するシートやネットによる「養生」、塗装前の「高圧洗浄」などの費用が掛かります。
足場の費用などはほとんど固定されているため費用が大きく変わることはないですが、塗料の費用は種類によって大きく異なります。
その他にも業者に頼むと人件費が掛かります。業者によって費用はまちまちなので複数の業者に見積もりを取るほうがいいでしょう。
塗料の費用は12~55万円
外壁塗装の塗料の種類はいくつかあり、主に「アクリル系」「ウレタン系」「シリコン系」「フッ素系」の4つ塗料のタイプがあります。
一般的に最も安いのはアクリル系塗料になり、逆に最も高い塗料はフッ素系塗料になります。
また、それぞれの塗料の大きく異なる点は「耐久年数」であり、費用が高い塗料になるほど耐久年数も優れています。
下記がそれぞれの塗料の費用と耐久年数の目安となっています。
|
費用(30坪の家) |
耐久年数 |
アクリル系 |
12~15万円 |
4~7年 |
ウレタン系 |
20~24万円 |
6~10年 |
シリコン系 |
30~40万円 |
8~15年 |
フッ素系 |
40~55万円 |
15~20年 |
下地塗り(下地処理)の費用は7~14万円
上記で紹介しているアクリル系やウレタン系の塗料を住宅の外壁に塗装する前には、「下地塗り」というシーラーやフィラーといった下地塗料を塗る作業が必要になります。
見積書には「下地処理」という項目になっていることもあり、その費用はシーラーであれば1㎡あたり600~800円(30坪の家で7~9万円)になり、フィラーであれば900~1,200円(30坪の家で10~14万円)とやや高くなります。
シーラーとフィラーの違いは、フィラーであれば外壁表面の凹凸や傷を埋めながら塗料の食いつきを良くすることができますが、シーラーの場合には傷などは埋めることができず塗装の食いつきを良くするだけというところです。
モルタル外壁の下地塗りの場合にはフィラーを使うことが多く、下地塗りの費用が他のサイディングなどの外壁よりもやや高くなりやすくなります。
足場の費用は8万~10万円
足場の費用は1㎡あたり700~900円が相場となっているので、30坪の家の場合ではおよそ8万~10万円の費用となります。
アクリル系の塗料の費用がおよそ12万円程なので、足場を設置する費用は外壁塗装のなかでも意外と負担になって行きます。
足場専門の業者に頼むのではなく塗装専門業者に頼むと中間マージンなどが発生することがないので、少し費用が抑えられます。
ハウスメーカーや工務店などにモルタル外壁の塗装を発注してしまうと中間マージンが発生してしまうので、足場や養生、高圧洗浄、補修の費用を安くするならば塗装専門の業者がオススメになります。
養生の費用は5万円前後
外壁塗装での「養生」とは、住宅の外壁以外の窓や雨戸、車、植木、エアコンの室外機などに塗料の飛散を防ぐための作業になり、外壁塗装を行う場合にはシートやネットなどで目張りする必要があります。
養生に掛かる費用は1㎡あたり400~500円が相場になるので、5万円前後の費用が掛かることになります。
養生する場所が少ないほど費用は少なくなりますが、あまり費用を切り詰めてしまうと塗料の飛散によるトラブルになりかねないので業者との事前の話し合いを良くしておくことがポイントです。
高圧洗浄の費用は2万円前後
年月が経過しているモルタル外壁を塗装する場合には、長年にわたって汚れが堆積しているため塗装する前には高圧洗浄機によって外壁全体を洗浄する必要があります。
また、外壁の汚れだけではなくて既存の塗料の塗膜を剥がして塗装後の食いつきを良くする効果もあり、きれいに外壁塗装を行うためには高圧洗浄を丁寧にしておくことが前提となっています。
その時の高圧洗浄に掛かる費用は1㎡あたり200円程になるので、30坪の家の場合には2万円前後の費用となります。
モルタル外壁を塗装する総額の費用は40~90万円
上記の「塗料」「下地塗料」「足場」「養生」「高圧洗浄」合わせた費用は32~86万円になります。
塗料…………12~55万円
下地塗料……7~14万円
足場…………8万~10万円
養生…………5万円前後
高圧洗浄……2万円前後
合計……32~86万円
年数がかなり経過しているモルタル外壁の場合には、下地塗料に「微弾性フィラー」という小さなひび割れを埋めてくれるフィラーを使うことが多く、さらに大きなひび割れなどでは直接補修する場合もあり、それらの費用も別途掛かることがあります。
そのため、その他の経費などを合わせるとモルタル外壁の塗装費用は上記の費用よりもやや高めの40~90万円が相場ということになります。
モルタル外壁を塗装することのメリットとは?
最後にモルタル外壁を塗装することのメリットをいくつか見ていきましょう。
ひび割れの補修ができて防水性がアップ!
モルタル外壁の場合には経年劣化によるひび割れが主なデメリットになりますが、ひび割れが大きくなってしまうと徐々にひびの隙間から雨水が侵入してしまいます。
そのため、モルタル外壁の場合にはひび割れを定期的に補修する必要があります。
その際に塗装業者に依頼すれば、小さなひび割ればかりでなく大きなひびも修正してもらうこともできるので、外壁塗装することで防水性をアップすることができます。
家の外壁全体の耐久性や防火性がアップ!
モルタル外壁を塗装すれば防水性をアップでいきるので、雨水の侵入を防げるため外壁全体の耐久性をアップさせることもできます。
また、フッ素系塗料などの耐火性や耐熱性に優れた塗料を使用すれば家の防火性のアップも図れます。
塗膜によって遮熱効果が上がり断熱性がアップ!
外壁塗装の場合には、下地塗料を含めて合計3回の塗装を行うのが一般的になります。
下塗り、中塗り、上塗りとった具合に複数回の塗装を施すことでムラのない塗装を施すことができます。
また、3回の塗装によって遮熱効果も上がるため、直射日光の熱を部屋の内部に伝えにくくさせることができ、外壁塗装には家の断熱効果のアップにもメリットがあります。
モルタル外壁の塗装のまとめ
モルタル外壁の塗装の費用はおよそ40~90万円が相場です。
ただ、ハウスメーカーや工務店に外壁塗装を依頼するとやや高くなることもあります。
そのため、外壁塗装を業者に依頼する場合には「塗装専門業者」に依頼するのがオススメで、外壁塗装専門業者であれば高圧洗浄や足場などの作業も全て一貫して行ってくれるので下請けに発注することがなく仲介料などが発生しません。
また、実績経験が豊富な外壁専門業であれば完了までの時間も早く、安心して依頼することができます。
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