団地のリノベーションはいくらで出来る?!団地に住むメリット・デメリットを解説!
新築の戸建てやマンションなどを購入するとなると3,000~5,000万円の費用は掛かってしまいますが、格安の団地を購入してリノベーションすればかなり費用を抑えることができます。
そのため今では格安の団地を購入して新しくリノベーションをする人も多く、木材を多く使ったりマンションタイプに仕上げるリノベーションなどが増えています。
そこでこちらでは、団地を購入してリノベーションする際の費用、団地に住むメリット・デメリットなどを紹介していきます。
団地の価格や相場とは?
まずは団地を購入する際の費用を見ていくことにしましょう。
そもそも団地とは、都市再生機構による公団住宅や都道府県や市町村の公営住宅を指すことが多く、1960年代後半から1970年代前半をピークに建設されたものを言います。
団地にも賃貸と分譲の2つのタイプがありますが、リノベーションをするのならば分譲団地を購入する方が規約などが少なくお勧めです。
東京都内にある分譲団地の相場を見てみると1970年くらいに建てられた団地(1R~3DK)の価格は400~3,200万円ほどが相場となっています。
一方、埼玉県や千葉県などの東京近郊にある団地(1R~3DK)の価格は200~1,200万円とかなりリーズナブルです。
これらの団地の価格相場をみると、リノベーションするために団地を購入するのであれば500~1,000万円の団地が狙い目で、リノベーションに掛かる費用を足したとしても800~1,5000万円の予算があれば十分といえます。
また、団地の中には格安の物件も多く郊外にあるものでは200万円で購入できるものもあるので、ローコストリノベといったコスト抑えたい人でも500万円ほどの予算があれば施工することが可能です。
そもそも「リノベーション」と「リフォーム」の違いとは?
団地のリノベーションを紹介する前に、「リノベーション」と「リフォーム」の違いを整理しておきましょう。
リノベーションとリフォームは言葉の意味合いとしてはとても近く、どちらも戸建ての住宅やマンションなどの内装や外装を工事することですが、その際の意図や目的意識などが異なっています。
リノベーションとは既存の建物の機能や価値を向上させることを目的としていて、修復作業を特に必要としていない住宅を大規模的に内装・外装工事を行うことを言います。
一方、リフォームとは古くなってしまった建物を修復させる目的や意図がある内装・外装工事のことを言います。
そのため団地のリノベーションの意味としては、修復する必要はない団地をより快適に生活できるように内装・外装の機能や価値を高める工事を指しています。
団地のリノベーションができる範囲や注意点とは?
団地のリノベーションができる範囲は、基本的に分譲団地の場合ではほとんどの部屋の部位をリノベーションすることが可能です。
ただし、団地の利用規約にリノベーションの制限がある場合には壁や天井などの基礎に大きく関わっている部分に手を入れることは難しいので、団地を購入する際には規約をよく確認しておく方がいいでしょう。
また、団地をリノベーションする方法は様々ありますが、大きく分けると2つのタイプがあり「木造住宅タイプ」と「マンションタイプ」などが人気のリノベーションタイプとなっています。
どちらのタイプも昔からある団地を利用してリノベーションすることが可能ですが、その際には構造においての注意点あります。
団地の構造は主に「ラーメン構造」と「壁式構造」といった2つの構造がありますが、1970年代に建てられた団地は壁によって建物の強度を保っている「壁式構造」が多く、壁によって建物を支えているので室内にあるほとんどの壁を撤去することができません。
そのため団地をリノベーションする場合には、基本的には間取りはそのままでプランニングする必要があり、戸建てのリフォームのように壁を撤去したり間取りを変えたりなどの工事ができないことを知っておいた方がいいでしょう。
団地のリノベーションに掛かる費用とは?
団地のリノベーションに掛かる費用は、およその概算では500~1,000万円程あれば部屋の広さやリノベーションのグレードに関わらず施工することができます。
団地の広さは一般的には50~70㎡ほどの床面積が多く、50㎡の広さでスタンダードなグレードのリノベーションであれば500~600万円の費用となります。
それとは逆に70㎡とったやや広い団地をリノベーションする場合には、リノベーションするグレードによっては1,000万円前後の費用は掛かってしまいます。
ここで言うグレードとは、お風呂やキッチンなどの水回りのグレード、フローリングやクロスの素材、壁面収納のタイプと数などです。
これらを全てハイグレードに揃える場合はスタンダードなグレードよりもリノベーションに掛かる費用は2倍ほど掛かってしまいます。
団地の部位ごとのリノベーションの費用とは?
団地の内装を全てリノベーションする場合の費用は500~1,000万円が相場となっていますが、フローリングやお風呂、キッチン、トイレといった部位を段階的にリノベーションする場合もあります。
それらの部位ごとのリノベーションの費用は以下のようになっています。
・キッチン………50~200万円
・トイレ…………10~80万円
・お風呂…………50~200万円
・洗面所…………10~50万円
・玄関……………10~50万円
・フローリング(60㎡)…50~100万円
・天井・壁のクロス(60㎡)…40~60万円
・収納スペース…10~50万円
団地をリノベーションする場合には上記の他にも、天井の高さを変える工事や防音性や断熱性を高める工事などもよく行われています。
それらの、団地の機能性や生活の価値を高める工事の費用は150~200万円が相場となっています。
団地に住むことのメリット・デメリットとは?
最後に団地に住むことのメリット・デメリットを見ていきましょう。
団地は一戸建てとは違い多くの人々が一つの建物に集まって生活しているため、最初は戸惑うことも多いかと思いまうす。
その一方で、団地で生活することで様々なメリットがあることも知っておいた方がいいでしょう。
団地に住むことのメリット
ママ友や同世代のコミュニティーが作りやすい!
団地は様々な家族モデルが一つの建物に集まっていることが多く、子供がいる世帯なども各団地にはたくさん居住しています。
そのため、子育てしているママ友や同世代のコミュニティーが作りやすいことが団地のメリットに挙げられます。
緑や広場が充実している!
団地の敷地には樹木や花壇などが整備されているところも多く、公園や共有の広場なども充実しています。
そのため、団地に引っ越してきた人の中には、周りの自然環境の良さに驚きを感じることも珍しくありません。
バス停などの公共交通機関が利用しやすい!
団地の施設内にはバス停が設置してあるところも多く、車を持っていなくても買い物へのアクセスに不便を感じにくいことも大きなメリットになります。
また、駅にも割と近い場所に団地は立地されているので、公共交通機関へのアクセスにも利便性があります。
学校や商業施設が近くにある!
マンモス団地と呼ばれている団地の周りには、学校、幼稚園、スーパー、コンビニエンスストア、商業施設、公共施設などが近場にあり、生活する上で様々な利便性を感じることができます。
病院などの医療機関も大規模な団地の周りには整備されているので、日常生活に不便を感じにくいのも団地の魅力です。
団地に住むことのデメリット
耐震基準に不安がある!
今ある団地の多くは1970年代に建設されているものなので、建築工法の新耐震基準が施工された昭和56年以前の建物になります。
そのため、旧耐震基準の団地は鉄骨ブレースなどを設置して耐震基準を上げる必要があります。
耐震基準が新耐震基準になっているかを知るには、管理会社に聞いてみるとすぐに分かります。
団地を購入する際には、安全性を確保するためにも耐震基準を満たしている団地なのかを確認する方がいいでしょう。
エレベーターが設置されていない!
5階建てマンションなどはエレベーターが設置してあるのが当たり前ですが、団地の場合は5階建てであってもエレベーターが設置されているとは限りません。
10階建などの高層団地であればさすがにエレベーターは設置されてありますが、10~20棟ほどある5階建て団地の場合にはエレベーターは設置されていません。
オートロックや宅配ボックスなどが設置されていない!
これもマンションとの比較となってしまいますが、一般的に団地にはオートロックや宅配ボックスなどは設置されていません。
また、監視カメラや街灯などもマンションより数が少ないので、治安や安全に対してはやや脆弱性があります。
団地のリノベーションのまとめ
団地をリノベーションすることによって、戸建てやマンションを購入するよりもかなりコストを抑えることができます。
ただし、昔の団地は規約や構造上の制限が多いので、リノベーションする場合には前もって確認する必要があります。
また、団地のリノベーションが得意な施工業者などを見つけることも、団地のリノベーションの場合にはポイントになっていきます。
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