ツーバイフォーはリフォームに向いていない?!ツーバイフォーのメリット・デメリットを解説!
木造住宅を建てる場合には柱や梁を先に建てる在来工法によるものが一般的ですが、他にも「ツーバイフォー工法」というものがあり日本では在来工法の次に多くなっています。
在来工法とツーバイフォー工法では建物の構造が大きく違うため、リフォームする場合にも違いが現れていきます。
一般的にツーバイフォー工法の住宅の場合にはリフォームに向いていないと言われていますが、本当のところはどうなのでしょうか?
そこでこちらでは、ツーバイフォーの特徴やメリット・デメリット、ツーバイフォーがリフォームに向いていないと言われている理由などを紹介していきます。
そもそもツーバイフォーとは?
そもそもツーバイフォーとはどのような工法なのでしょうか?
ツーバイフォーの名称そのものは「2×4」という数式から付けられていて、使われている木材の大きさが2インチ×4インチのためツーバイフォーと呼ばれています。
ツーバイフォーの他にも「ツーバイシックス(2×6)」「ツーバイエイト(2×8)」「ツーバイテン(2×10)」などがあり、これらも使われている木材のサイズによって異なります。
ツーバイフォーの工法技術は19世紀の北米で生まれたもので、日本には1970年代から徐々に広まっていった木造の建築工法の一つになります。
日本ではツーバイフォーとは別に「木造枠組壁構法(もくぞうわくぐみかべこうほう)」とも呼ばれているものがあり、建物の耐久性を柱や梁ではなく「面」によって確保していきます。
木造枠組壁工法のツーバイフォーでは、2×4インチの角材と石膏ボードや合板を組み合わせて箱状のパネルを作り、天井、壁、床などの住宅のあらゆる面体をパネルによって形成していきます。
柱や梁を建てることがないので在来工法よりも工期が短く済み、耐火性や耐震性にも優れています。
ツーバイフォーのメリット・デメリットとは?
ツーバイフォーはパネルを組み合わせるだけなので、在来工法よりも工期が短く済むといったメリットがありますが他にもいくつかのメリットがあります。
ただ、ツーバイフォー工法によるデメリットというものもあり、ツーバイフォー工法による住宅のメリットとデメリットをそれぞれ見ていきましょう。
ツーバイフォーのメリット
品質が安定している
ツーバイフォー工法は使われている木材の既定が全て統一されているため、在来工法よりも個々の住宅による品質のばらつきなどがありません。
また、パネルを組み合わせていくシンプルな造りのため現場の職人さんもマニュアル通りに建設するだけなので品質が安定しています。
そのため、業者による品質の違いなどがなく安心して住宅を建設することができます。
気密性や断熱性に優れている
ツーバイフォー工法の住宅は面と面を組み合わせて形成されているため、気密性にとても優れています。
壁や床などの各パネルは全て中が空洞となっているので、断熱性にも優れていてエアコンなどの空調のコストを抑えることができます。
防火性が高い
気密性が優れているので、万が一家の中で火事が起こってしまったとしても火の回りが在来工法よりも遅く最小限に抑えることができます。
日本でのツーバイフォー工法の耐火性に関する信頼性は、2007年に2時間耐火構造の国土交通大臣認定を取得していることなどから火災保険も安くなり、火事に強いということが既に定着しています。
そのため、防火性に優れていることもツーバイフォーのメリットになります。
自然災害に強い
日本は地震や台風などの自然災害がとても多いですが、それらの自然災害にもツーバイフォーは強く耐震性や耐風性に優れています。
在来工法では柱や梁の線によって建物全体を支えていますが、ツーバイフォーは面によって建物全体を支えているので横からの力に強く、さらに分散性なども高くなっています。
ツーバイフォーのデメリット
ツーバイフォーを引き受ける業者が少ない
現状、日本の木造住宅のほとんどが在来工法によって建設されているため、ツーバイフォーを引き受けている工務店やハウスメーカーは実はあまり多くありません。
発注できる業者が少ないということは、それだけ見積もりなども多くの業者には出せず、限定的なものになってしまうということです。
間取りやデザインの自由度が低い
ツーバイフォーは壁や床によって建物全体を支えているので、家の中の間取りが同じようなものになりやすく、またデザイン性のある出窓を設けることもツーバイフォーでは不向きとなっています。
特に建物の角は壁と壁がしっかりと密着している必要があるため、大きな窓を壁の四隅に設置することができずプランニングも制限されてしまいます。
リフォームには向いていない
ツーバイフォーはリフォームに向いていないということがよく言われてしまいますが、その原因は撤去できる壁が少ないことが挙げられます。
壁そのものが建物全体の耐震や強度を確保しているので、壁を動かすなどの間取り替えのリフォームをすることができません。
また、先ほど紹介したツーバイフォーによる住宅建設を引き受けてくれる業者が少ないこともリフォームに向いていないことになっています。
日本では未だに在来工法による住宅建設が一般的で根強いため、ツーバイフォーの技術や知識を持っているリフォーム業者そのものが多くありません。
ツーバイフォーでもリフォームできるの?
先ほど紹介したようにツーバイフォーは、構造上の制限やリフォームできる業者の少なさなどがリフォームに向いていないと言われてしまう原因になっています。
では、ツーバイフォーによる住宅はリフォームすることができないのかというと決してそういうことではなく、リフォームすることは可能です。
ツーバイフォーをリフォームする場合のポイントとしては、工法のルールを把握することやトイレやキッチンといった内装部分は従来工法と同様にリフォームできると知っておくといいでしょう。
また、在来工法よりもツーバイフォーの方が安く抑えられる場合もあります。
工法のルールを把握すればリフォーム可能!
ツーバイフォーの住宅をリフォームする場合には、壁の量や位置など基本のルールを把握して耐震性や強度をきちんと確保しながらプランニングしていくことが重要です。
そのため、ツーバイフォーの技術や知識に優れているリフォーム業者に依頼することがポイントになります。
キッチン、浴室、トイレもリフォーム可能!
ツーバイフォーの住宅でも壁の移動をしないリフォームであれば在来工法の住宅と同じようにリフォームすることは可能です。
特にキッチン、浴室、トイレといった内装部分をリフォームするだけの工事であれば特にリフォームしにくいということはありません。
その他にも外壁や屋根の塗装などは在来工法よりもシンプルな造りになっているので、逆にリフォームのしやすさでは優れている場合もあります。
ツーバイフォーのリフォームは在来工法よりも安い!
ツーバイフォーのリフォームは、在来工法よりも費用を安く抑えることができます。
その訳は、同じ規格の材料を使っているためであって、材料費を安く揃えられて下地の補修もパネルを交換するだけで完了します。
そのため、材料費や工事の手間などが少なく在来工法のリフォームよりも1~2割程度はツーバイフォーの方が安くなっています。
むしろツーバイフォーのほうがリフォームしやすい!
以上のことからわかる通り、「ツーバイはリフォームに向いていない」というのはやや誤解された情報といえます。
ツーバイフォーの基本構造や設計ルールなどをしっかりと把握すれば、むしろ在来工法よりもリフォームしやすくコストも抑えることができます。
そのため、ツーバイフォーだからといってリフォーム出来ないといったことはなく、リフォーム出来る業者が少ないというのが現状です。
ツーバイフォーのリフォームのまとめ
ツーバイフォーのメリット・デメリットやリフォームについて紹介してきましたが、日本の木造住宅のほとんどは在来工法が多くツーバイフォーの住宅はあまり多くありません。
そのため、リフォームできる業者が少ないことが「ツーバイフォーはリフォームに向いていない」といわれてしまう原因になります。
ツーバイフォー住宅の建設やリフォームを考えている方は、ツーバイフォーの知識や技術に優れている工務店やハウスメーカーを見つけることがポイントとなります。
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