床のリフォームに掛かる費用を解説!フローリングや畳の種類とは?
住宅リフォームの中でも、とりわけ多いものとして「床のリフォーム」があります。
日本の住宅の床材は主に「フローリング」と「畳」ですが、それぞれのリフォームに掛かる費用は一体どれくらいなのでしょうか?
こちらでは、フローリングと畳のリフォームに掛かる費用や種類などをご紹介していきます。
フローリングの張替の費用とは?
まずは、フローリングのリフォームに掛かる費用をご紹介していきます。
フローリングをリフォームする場合には「張替え工法」「重ね貼り工法」「土台(根太・大引)から張り替える」の3つの方法があります。
それぞれの方法によって費用が大きく変わるため、予算に見合った施工方法を選ぶといいでしょう。
「張替え工法」の費用は10〜25万円(8畳)
フローリングを「張替え工法」によってリフォームする費用は、8畳程度のリビングで10〜20万円が相場となります。
費用にやや幅があるのはフローリング材に使うグレードや種類によって違いがあるからで、この後に紹介する無垢フローリングと複合フローリングとでは費用が異なります。
一般的には複合フローリングの方がコストは安く、無垢フローリングの方が割高になります。
張替え工法によるフローリングのリフォームの特徴は、撤去費用にややコストが取られてしまうことですが、フローリングを全部剥がしてしまうので根太や大引と呼ばれている土台部分をチェックすることができます。
シロアリや湿気によって土台に心配があるようであれば、張り替え工法によるフローリングのリフォームがおすすめです。
仮に、根太や大引などが腐食している場合には一部を交換するか補修する必要があるので、その場合には撤去費用に補修交換費がプラスされます。
「重ね貼り工法」の費用は8〜18万円(8畳)
「重ね張り工法」とは既存のフローリングはそのままで上に重ねるようにフローリング材を設置する施工方法で、その費用は8畳程度のリビングで8〜18万円が相場となります。
張替え工法の場合には撤去費用が掛かってしまいますが、重ね張り工法であれば撤去費用は掛からないのでややコストを抑えることができます。
また、工事期間も張替え工法に比べると短く、8畳程度のリビングであれば2日もあれば工事は完了します。
ただ、フローリングの土台の状態を確認することができないので、根太や大引が腐食している場合には交換することができません。
そのため、重ね張り工法の場合にはそれほど年月が経過していないフローリングのリフォームに適していると言えます。
土台(根太・大引・床束・束石)から替える費用は20~30万円
フローリングの土台は「根太」「大引」「床束」「束石」の4つパーツによって造られていることが多く、これらの土台がシロアリや湿気などで腐食している場合には交換か補修する必要があります。
フローリングの上を歩いたときフカフカする感じがする場合には、根太や大引などの土台が腐食している可能性があります。
張替え工法だけでは床の劣化に対処することができない場合には土台からリフォームするということもあり、そのときの費用は土台とフローリングの両方を合わせると20~30万円が相場となります。
その他、一部の床束や束石を交換するだけならば、1~2万円程度の費用で収まります。
フローリングの種類とは?
フローリングの種類は大きく分けて2つの種類があり「無垢フローリング」と「複合フローリング」があります。
それぞれのフローリングの特徴とメリット・デメリットを見ていきましょう。
無垢フローリング
無垢フローリングとは木材をそのまま切り出した状態のフローリング材のことで、1枚の単層構造となっているのが特徴です。
無垢フローリングに使われている木材の種類には、パイン・スギ・ヒノキ・オーク・クリなどの木材が使われていることが多く、複合フローリングよりも“木”本来のぬくもりや温かみを感じることができます。
無垢フローリングのメリット
無垢フローリングのメリットは木のぬくもりだけではなくて、機能性も優れています。
単層構造の木材なので調湿作用が高く、室内の湿気を調整することができます。
そのため、無垢フローリングを設置すると夏場は湿気を吸収してくれて、冬場は湿気を逆に放出してくれます。
また、フローリングのデメリットである冬場の冷えも、無垢フローリングであれば水分を含みやすいので、触ったときに冷たく感じることがありません。
無垢フローリングのデメリット
一方、無垢フローリングのデメリットは、複合フローリングよりもコストが高いことや傷つきやすいということが挙げられます。
また、複合フローリングよりも水に弱いため、膨張やカビなどがデメリットになります。
複合フローリング
複合フローリングとは集成材や合板の表面に木目調の化粧シートが接着されているフローリング材のことで、複数構造によって造られているのが特徴です。
複合フローリングの中にも種類がいくつかあり、主に表面の仕上がりによって見た目や質感などが異なります。
表面の仕上げには「挽き板」「突き板」「シート」の3つのタイプがあり、挽き板や突き板で仕上げられた複合フローリングならば、無垢フローリングに近い木のぬくもりを感じ取ることができます。
複合フローリングのメリット
複合フローリングのメリットは安価にリフォームできることで、3割ほど無垢フローリングよりも安く設置することができます。
傷や水などの外からの影響も複合フローリングの方が強く、メンテナンスや掃除のしやすさなども複合フローリングの方が優れています。
複合フローリングのデメリット
複合フローリングは安価でメンテナンスがしやすいので需要が高いフローリング材ですが、無垢フローリングと比較してしまうと木の質感やぬくもりは劣ってしまいます。
また、経年劣化などによる耐久性も無垢フローリングと比較してしまうと劣ってしまい、少しでも深く傷付けてしまうと中の合板が見えてしまいます。
畳の張替の費用とは?
続いて、日本家屋の床材に多い畳の張替に掛かる費用を見ていきましょう。
畳の張替リフォームは「裏返し」「表替え」「新調」の3つの方法が主にあります。
「裏返し」の費用は1畳あたり3~6千円
「裏返し」とは畳本体を裏返すのではなく、畳表といわれる畳の表面を一度剥がしてそれを裏返してきれいな面を表に張り替えることを言います。
畳表を張り替えるだけなので、張り替え作業に掛かる費用だけに抑えることができて、畳の張替リフォームの中でも最も安価に行うことができます。
裏返しの張替え作業の費用は、1畳あたり3~6千円が相場となっています。
裏返しをする時期としては「2~3年に一度が理想的」といわれていますが、一般的には5~6年に1回は裏返しをすると、畳をより長く使うことができるとされています。
「表替え」の費用は1畳あたり5千~2万円
「表替え」とは、畳床と呼ばれる基礎の部分はそのままで、畳表と畳縁(たたみべり)だけを交換することを言います。
表替えの費用はかなり幅があり、畳表のグレードによっては1畳あたり2万円程する高級品もあります。
表替えをする時期は「4~8年に1回すると理想的」とされていて、畳床はそのままなので安価な畳表であれば工賃を含めても、6畳の和室で5万円前後の費用に抑えることができます。
「新調」の費用は1畳あたり1万~2万5千円
「新調」とは、その名の通り畳本体を全て新しく張り替えるリフォームのことで、1畳あたりの費用は1万~2万5千円が相場となっています。
畳のグレードは、国内産か中国産かによる違いが大きく、少しでもコストを抑えたいのであれば中国産の畳を新調することになります。
中国産の畳も品質が良いものであれば見た目もよく長持ちしやすいですが、質が悪い中国産の畳は畳表のイ草にばらつがあり、白や黄色くなっているイ草が使われている場合があります。
そのため、中国産の畳を選ぶ場合も出来るだけグレードが高いものを選ぶ方がいいでしょう。
床のリフォームのまとめ
住宅の床材であるフローリングや畳のリフォームについて紹介しましたが、フローリングや畳は小まめにメンテナンスをすることが大切です。
特に畳は定期的なメンテナンスをすれば長持ちしますが、畳上げや畳干しをしないでいると湿気を逃がすことができず傷みやすくなってしまいます。
そのため、1年に1回は畳上げをして半日程度は日陰干しをするといいでしょう。
また、フローリングも定期的にワックスがけなどのメンテナンスをすることで、きれいな状態のまま長く使い続けることができます。
15~20年以上経過している住宅の場合には床のリフォームを必要とする場合が多いので、心配であれば一度リフォーム業者へ相談してみるといいでしょう。
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