バリアフリーリフォームのポイントや注意点とは?費用や相場を徹底解説!
体が不自由な方や高齢者がいる家族世帯などではバリアフリー工事をしている住宅がありますが、バリアフリー工事の種類はさまざまあり、そのときの費用も異なります。
簡単な手すりだけを設置するだけであれば10万円程の費用で済みますが、家全体をバリアフリー化するとなると数百万円は掛かってしまいます。
そのため、一言でバリアフリーといっても費用や施工方法は様々あり、住宅のバリアフリーリフォームの種類や費用などは将来のためにもある程度事前に知っておくほうがいいでしょう。
そこで今回は、住宅のバリアフリーリフォームのポイントや注意点、施工方法、施工費用などを紹介していきます。
そもそもバリアフリーとは?
住宅をバリアフリーにすることで高齢者や体が不自由な方が快適暮らすことができるということは分かりますが、バリアフリーというものがどのようなことを指しているのかを確認しておきましょう。
そもそもバリアフリーの意味とは「障害・障壁のない」というのが言葉の原義で、「高齢者や障害者等が日常の生活していく上で障壁(バリア)となるものを除去(フリー)する」ことを指しています。
また、バリアフリーの意義としては「すべての人が利用しやすいユニバーサルデザインを基本とした施設・設備の整備」となっています。
ユニバーサルデザインとは「障害の有無、年齢、性別、人種等にかかわらず、多様な人々が利用しやすいような都市や生活環境のデザイン」を言い、今では多くの公共施設などではバリアフリー化が当たり前のようになっています。
また、公共施設だけではなく、住宅においてもバリアフリー化は進んでいます。
住宅のバリアフリーリフォームに対する補助金や助成金なども今では充実しているため、以前より低予算で住宅のバリアフリー化を実施できるようになりました。
※参考サイト【国土交通省 関東運輸局HPより】
https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/faq/barrier_free/answer.html
バリアフリーリフォームのポイントや注意点とは?
バリアフリーの意義は分かりましたが、住宅のバリアフリーリフォームを行っていく上でのポイントや注意点とは、一体どのようなものがあるのでしょうか?
続いて、バリアフリーリフォームのポイントや注意点を見ていくことにしましょう。
見積もりや工事の前には家族全員で話し合う
バリアフリーリフォームの見積もりや工事が実際に始まる前には、家族全員で十分な話し合いをしておくことがポイントです。
実際にバリアフリーリフォームを必要としている高齢者などの意見だけではなく、子供の意見なども十分に聞いておくことで家族全員が納得できる、わだかまりのないバリアフリーリフォームを行うことができます。
ケアマネジャーなどに入ってもらう
要介護者にはケアマネジャーという介護支援専門員が付くことがあります。
そのため、バリアフリーリフォームを行う場合にはケアマネジャーに相談して、実際にどのようなバリアフリーリフォームを行うのがいいのかを介入してもらうと、スムーズに施工業者など見つけることができます。
要介護者がいなくなったときも想定しておく
バリアフリーリフォームは要介護者がいなくなった後のことも考えて工事を行うことも大切です。
あまり必要以上にバリアフリーリフォームを行ってしまうと、要介護者がいなくなった後の改築や再リフォームの費用が高くなりやすく、そのまま残したとしても何かと生活の支障を感じやすくなります。
段階的なバリアフリーリフォームが理想的
一度にまとめてバリアフリーリフォームを行ってしまうと、費用や工期が大きな負担となってしまうため、出来れば段階的なバリアフリーリフォームが理想です。
例えば、手すりやステップなどの簡単な工事から徐々に行っていくと、日常生活への影響も少なくて済みます。
バリアフリーリフォームの方法とその費用とは?
では、バリアフリーリフォームの施工方法とそのときの費用を住宅の部位ごとに分けて見ていくことにしましょう。
玄関のバリアフリーリフォーム
玄関のバリアフリーリフォームは「スロープ」「手すり」の2つの施工部位が一般的です。
住宅の玄関周りはやや段差が多い場所なので、車椅子の場合には「スロープ」を設置することでスムーズな家の出入りが可能となります。
車椅子用のスロープに掛かる費用は、5メートルの長さで30万円程が目安となります。
また、手すりだけであれば10万円前後が相場となっています。
リビング・寝室のバリアフリーリフォーム
リビングや寝室のバリアフリーリフォームは、「手すり」「段差解消」「フローリング交換」「間取り改善」などがあります。
手すりや段差解消のリフォームは比較的簡単な部類となります。
フローリングは、滑りにくい材質に交換すると車椅子の方はより快適に生活することができます。
フローリング交換の費用は8畳のリビングであれば張り替え工法で10~20万円、重ね張り工法で8~18万円が相場となっています。
また、リビングと寝室を隣り合わせにするなどの間取りを改善することも、バリアフリーリフォームの施工方法となります。
特に車椅子の生活になると、リビングを中心に部屋の間取りや動線を考えることでより生活しやすくなります。
そのため、寝室が2階にある場合には1階に移す必要があり、ホームエレベーターを設置する場合の費用は300~500万円が相場となります。
トイレのバリアフリーリフォーム
バリアフリーリフォームの中でも需要が高いものとして、トイレのバリアフリー化があります。
トイレのバリアフリーリフォームは主に、「手すり」「段差解消」「引き戸変更」「洋式変更」「拡張工事」など様々な施工方法があります。
最も簡単な手すりを取り付けるリフォームであれば費用も5万円未満で済みますが、トイレの床面積を広げる拡張工事になると40~100万円とやや高額な費用が掛かってしまいます。
トイレの床面積を広げるバリアフリーリフォームは一般的には車椅子が必要な場合に行われるので、要介護者に合わせた施工が必要になります。
お風呂場のバリアフリーリフォーム
お風呂のバリアフリーリフォームも、トイレに続いて需要が高い場所になります。
お風呂のバリアフリーリフォームには、「手すり」「段差解消」「浴槽交換」「床材交換」「ヒートショック対策」などがあります。
浴槽が深くなっているタイプだと跨いだときに転倒しやすくなるので、底が浅いタイプの浴槽に交換することで転倒防止につながります。
浅い浴槽への交換だけであれば、浴室本体と工事費を合わせても20万円ほどの予算で交換することができます。
その他にも高齢者の場合には、冬場のお風呂でのヒートショックが原因で死亡してしまう事故もあるので、浴室暖房乾燥機を設置するとリスクを軽減させることができるでしょう。
浴室暖房乾燥機の設置費用は、一般的なタイプであれば本体と工事費込みで10~30万円の予算があれば設置することが可能です。
キッチンのバリアフリーリフォーム
キッチンのバリアフリーリフォームをすることで、高齢者などが安全に調理しやすくなるメリットがあります。
キッチンのバリアフリーリフォームは「手すり」「段差解消」といった基本的なもの以外にもさまざまありますが、需要が高いものとして「レイアウト変更」があります。
キッチンのレイアウト変更とはシンクやコンロ、調理スペースなどを低くしたり、動きやすいようにキッチンのタイプを変更することを言います。
そのときのキッチンのレイアウト変更に掛かる費用は、スタンダードなグレードのキッチン本体の場合で工事費などを合わせると100~120万円が相場となっています。
階段のバリアフリーリフォーム
階段のバリアフリーリフォームの施工方法は、「滑り止めマット」「手すり」「昇降機」などがあります。
滑り止めマットなどを設置するバリアフリーリフォームであれば、2万円前後で行うことができます。
また、階段に手すりを設置する費用は7~10万円が相場で、滑り止めマットと合わせてリフォームを行うことでより安全性が高まります。
一方、昇降機を設置するバリアフリーリフォームの場合にはやや費用が高く50~150万円程してしまいますが、階段の形状が直線型であれば工事費を合わせても50万円台での設置が可能です。
バリアフリーリフォームのまとめ
住宅のバリアフリーリフォームを必要とするタイミングは、家の中での高齢者の動作を日常的に観察することで把握することができます。
そのため、少し動きづらそうな動作になってきたと感じたならば、近い将来にはバリアフリーリフォームを実施することを想定しておいた方がいいでしょう。
また実際にバリアフリーリフォームを行う際には、高齢者や要介護者だけの意見だけではなくて、家族全員の意見を尊重することが誰しも暮らしやすくなるバリアフリーリフォームのポイントとなります。
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